Digital Single 「位相」

Flat’n’Sharp
「位相」
Release 2026.04.18

Lyrics

乾いた舞台の隅で
意味を持たない言葉を並べる
拍手のない時間だけが
やけに正確に流れていた

正しさはいつも遅れて届き
誰も拾わない仮説ばかりが
夜の底で静かに沈殿していく

終わりを仮定するたびに
消え残る何かがあった
名前を持たない確信だけが
呼吸のように続いていた

わずかにずれた位相のまま
重ならない光を抱えて
それでも同じ方向を見ていた
理由なんて後付けでいい

解釈されない言葉でも
受け取る者がひとりいれば
それだけで形は生まれる
世界はあとから追いつく

論理は時に刃物のようで
感情を静かに切り分ける
その断面の滑らかさに
自分でも少し驚いていた

遠回りと呼ばれる軌道を
あえて選び続けたのは
最短距離では触れられない
何かがあると知っていたから

交わらないことを前提に
それでも並んで歩く
理解ではなく
ただの選択として

わずかにずれた位相のまま
同期しないままでよかった
ひとりではノイズだったものが
ふたりで意味へと変わる

正解に触れなくてもいい
輪郭さえ曖昧なままで
ただ消えなかったという事実が
すべてを肯定していく

証明できない関係性に
名前を与える必要はない
ただ一度も手放さなかったこと
それだけが残ればいい

わずかにずれた位相のまま
今もなお重なりきらずに
それでも同じ光を見ている
それだけで十分だった

誤差のような距離の中で
確かに繋がっていた
言葉にならない確信だけが
静かに世界を変えていく